農地とは?
農地とは、「耕作の目的に供される土地」としています(農地法2条1項)。つまり、田や畑、果樹園などのことで、野菜や米、果物などを作っている土地のことを指しています。ただし、宅地の一部で庭を利用した家庭菜園は農地として扱われず、宅地の一部とみなされます。
一言で農地といっても、農地転用許可が必要な農地であるかどうかは見ただけでは判断できないことがあります。
耕作されていなくても転用許可が必要?
転用許可が必要かどうか判断するために登記を確認する必要があります。農地には見えない土地でも登記上で農地となっている場合、転用には許可が必要となります。
また、登記上は農地でも転用許可済みのこともあります。許可を取って農地を転用し、宅地などにした場合、土地の所有者は地目変更の登記申請をしなければなりませんが、地目変更の登記がされないままになっていることもあります。
どんな時に農地転用許可が必要?
農地転用とは、農地を農地以外のものにすることです。
例えば、宅地や駐車場などだけでなく、太陽光発電施設、資材置き場、道路、公園なども農地から変えた場合、転用に当たります。
また、農業用の倉庫も200m2以上なら、転用許可が必要となります。
農地転用許可が不要な地域
市街化区域内では、農地転用の許可がいりません。届出のみで転用が可能です。市街化区域とは、都市計画法で指定されている都市計画区域のひとつで、すでに街の整備が進められて市街地になっている区域と、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街地として整備を図るべき区域のことです。
市街化区域とされた地域では、農地を宅地などに転用することが推奨されるため、「許可」ではなく「届出」で良いとされています。
無断転用の罰則
農地はしっかりとした規制があるのですが、許可や届出といった手続きをせずに、無断で転用されているケースもあります。違法行為になっていますが、違法行為の自覚がなく、違法な状態のまま放置されていることがあります。
自覚がない、知らなかったという場合でも、罰則があります。
農地法では、農地を許可を得ずに転用したり、虚偽をもって許可を受けたものに対する罰則規定として、「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。」とあります。(農地法64条)
無断転用の状態の場合
無断転用の状態になっている場合、対応方法として考えられるのは、以下の2通りです。
- 1.農地の状態に戻す
- 2.事後的に許可をとる
無断転用は違法です。今まで問題が起きなかったから大丈夫という問題ではありません。仮に今問題が起こっていなくても後々問題になるケースもあります。
農地転用許可後の利用
どうせ転用の許可を取るのだったら、将来のことを考えて何となくこのくらいのスペースがあった方が良いと考えてあそびのスペースも含めて許可をとっておきたいと思うこともあるでしょう。しかし、利用目的がはっきりしない申請はできません。