株券とは
株券(かぶけん)は、株式会社が発行する有価証券で、株主がその会社の株式を保有していることを証明する文書です。株主にとっては、その会社に対する権利を物理的に示すものとして機能します。
2004年の「株券電子化」(株券ペーパーレス化)に関する法律が公布される前は、株券が発行されていましたが、現在は株券不発行が原則です。株券は発行することも、不発行とすることも可能ですが、それぞれどのようなメリットがあり、何が異なるのでしょうか。
株券発行会社とは?
株券発行会社とは、定款に株券を発行する旨を定めた株式会社を指します。
特徴
- ・株券の発行義務 株券発行会社は、株主からの請求があれば株券を発行する義務があります。ただし、非公開会社の場合、株主からの請求がない限り株券を発行しないことができます。
- ・株式譲渡の方法 株券発行会社においては、株式の譲渡は株券の交付によって効力を生じます。つまり、株券の交付がなければ株式譲渡は有効と認められません。
メリット
- ・株式を第三者に譲渡する際に株券の交付で手続きが完了するため、わかりやすいです。
- ・株主の権利証明が明確になります。
デメリット
- ・株券の発行や管理にコストがかかります。
- ・物理的な証券のため、紛失や盗難のリスクがあります。
株券不発行会社とは?
株券不発行会社とは、株主に対して株券を発行しない会社のことです。
現在、日本では非公開会社(株式譲渡制限会社)は株券を発行しないのが原則とされています(会社法第214条)。
特徴
- ・株券の不発行 株式の所有権や権利は株主名簿で管理されます。
- ・株主名簿の重要性 株券がないため、株主名簿に記載されていることが株主としての権利の根拠になります。
メリット
- ・株券の発行・管理にかかるコストが削減できます。
- ・物理的な株券が存在しないため、紛失や偽造のリスクがありません。
- ・株主名簿が正確であれば、株主の把握が容易です。
デメリット
- ・株式を譲渡する際、名義書換が必要になるため、譲渡の手続きが煩雑になります。
まとめ
株券発行会社と株券不発行会社は、株式管理の方法、コスト面で大きな違いがあります。現在の日本では、非公開会社において株券不発行が主流となっています。