行政書士児玉事務所

コラム

合同会社と株式会社の定款に違いはある?

合同会社も株式会社も定款の作成は必須になっておりますが違いはどこにあるのでしょうか?

どちらも日本で法人を設立する際に定款を作成する必要がありますが、その内容は異なります。

定款には、商号(社名)や事業目的、本店所在地などの基本情報をはじめさまざまな事項を記載しますが、その内容は合同会社や株式会社など会社形態によって違います。

公証役場での認証

合同会社と株式会社の大きな違いとして、合同会社の定款は公証役場での認証が不要であることが挙げられます。

株式会社の場合は作成した定款を公証役場に提出し、認証の手続きが必要です。認証手続きでは、認証手数料が資本金の額に応じ、資本金が100万円未満の場合は3万円、100万以上300万未満の場合は4万円、300万以上の場合は5万円かかります。

一方、合同会社は定款の認証手続きが不要で認証手続きの費用もかかりません。さらに合同会社には株式の概念がないため、株式会社のような株主構成や株式譲渡制限などの記載事項が少ない分、株式会社よりも比較的簡単に定款が作成できます。

意思決定機関と運営方法の違い

株式会社は、取締役会の設置が義務づけられている場合があります(公開会社や監査等委員会設置会社など)。取締役会がない場合でも、取締役の選任は必須です。また、監査役や監査役会の設置が必要な場合があります。特に、株式を公開する場合や大規模な会社においては、内部監査体制の整備が求められます。

一方、合同会社は、取締役会の設置義務はなく、経営に関わる意思決定は社員(出資者)全員で行います。また、監査役の設置義務はありません(必要に応じて任意で設置することも可能)。これにより、より柔軟な運営が可能です。

定款変更の手続き

株式会社では定款変更に株主総会の特別決議が必要です。株主の3分の2以上の賛成が求められます。

合同会社では、定款変更に社員全員の同意が必要です。全員が合意すれば迅速に変更が可能です。

合同会社と株式会社の定款には、公証役場での認証、意思決定機関と運営方法の違い、定款変更手続きなどで違いがあります。株式会社は多くの株主や公開性を重視するのに対し、合同会社は少人数で柔軟に運営を行うことを目的とした法人形態です。どちらが適しているかは、ビジネスの規模や運営方針によって選択することが重要です。