事業年度とは?
事業年度は、法人が1年間の会計活動や財務の状況をまとめるために設定する期間を指します。
この期間内に法人は経営活動を行い、その成果を決算書にまとめることになります。法人の活動を把握し、税務申告や経営計画を立てるために重要な概念です。
事業年度の基本事項
通常の期間
事業年度は通常、12か月間で設定されますが、設立当初や事業年度変更の場合は12か月未満になることもあります。
事業年度は、1年を超えることはできません。
期間の自由設定
法人は、事業年度の開始日と終了日を自由に決めることができます。これは、必ずしも暦年(1月1日~12月31日)と一致させる必要はなく、法人の都合に合わせて決定できます。
ただし、終期を2月にする場合はうるう年があるので、「2月28日」という表記ではなく、「2月末日」と記載すべきです。
また、始期を「1月1日」からとした場合、終期は「同年12月31日」とするか「12月31日までの1年とする」など記載に注意しなければなりません。
定款で規定
事業年度は通常、法人の「定款」に記載され、設立時に決定します。
事業年度は定款の任意記載事項なので、定款に記載しなくても問題はありませんが、定款に事業年度を記載しない場合は、会社を設立してから2カ月以内に法人設立届出書に事業年度を記載し、税務署に届け出る必要があります。
「当会社の事業年度は、毎年⚪︎月⚪︎日から翌年⚪︎月⚪︎日までとする」
上記のように事業年度を定款に記載することが多く、また、事業年度のどのように設定するかは自由です。
事業年度を選ぶ際のポイント
法人が事業年度を設定する際、考慮すべきいくつかのポイントがあります。
業界の慣習
特定の業界では、取引先や顧客との連携を考慮して、他の会社と同じ事業年度を採用することが多いです。たとえば、学校法人は4月~翌年3月の事業年度を設定することが多いです。
繁忙期の考慮
決算業務は多くの労力を必要とするため、忙しい時期を避けるように事業年度を設定するのが一般的です。事業の繁忙期が決算と重なると、負担が大きくなります。
税務上の考慮
法人税や消費税の納付タイミングを調整したい場合、事業年度の変更が有効です。また、節税対策としても事業年度を適切に設定することが重要です。
事業年度の変更
事業年度は法人設立時に決定されますが、後から変更することも可能です。
変更する場合、以下の手続きを行います。
1.定款変更
事業年度を変更する場合、まず定款を変更する必要があります。定款は株主総会の特別決議で変更できます。
2.税務署への届出
事業年度を変更した場合、税務署へその旨を届け出る必要があります。
税務署への届出は、所定の書類を使って行います。
まとめ
事業年度は法人にとって、経営や財務を管理するための重要な基準となります。法人の状況や業界の特性に応じて、事業年度を柔軟に設定し、また必要に応じて変更することが可能です。
事業年度を理解し、正確に管理することで、効率的な経営や税務処理が可能になります。