合同会社は株式会社とは違い、定款の公証役場での認証が不要です。その分、早く安く設立が可能ですが、定款の作成には注意が必要です。
合同会社では、株式会社と違い、会社法で決められているルールが多くなく、定款の自由度が高く、定款に何が書いてあるかでルールが決まることが多くあります。
そのため、定款をより今後の経営をよく考えて作っていくことが重要です。
合同会社の定款に記載する項目
合同会社の定款に記載する事項として、株式会社の定款と同様に絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項がありますが、会社の性質上、記載事項が違う部分があります。
特に相対的記載事項は定款の自由度が高い合同会社にとって重要になってきます。
(1)絶対的記載事項
- 「商号」
- 「事業目的」
- 「本店所在地」
- 「社員の氏名又は名称及び住所」
- 「社員の出資の目的及びその価格又は評価の標準とその金額」
- 「社員が有限責任社員である旨」
(2)相対的記載事項
- 「業務執行社員」
- 「持分の譲渡」
- 「協業の禁止」
- 「利益相反取引の制限」
- 「任意退社」
- 「相続及び合併の場合の特則」
- 「利益の配当」
- 「代表社員の決定方法」
- 「定款の変更」
- など
(3)任意的記載事項
- 「事業年度」
- 「社員総会を開催する場合の規定」
- など
有限責任とは?
絶対的記載事項で「有限責任社員である旨」とありますが、合名会社・合資会社の社員との違いを明らかにするため、絶対的記載事項とされています。
有限責任とは、出資した以上の責任は問われないことをいいます。
例)100万円出資した場合
会社が倒産し、負債が1000万円あった場合、出資した100万円のみの損失で良いというものです。負債の1000万から出資の100万を引いた900万は賠償義務が生じません。